DESIGN EXTREME SEMINAR in Inter BEE REPORT

映像業界のクリエイターに向けた「DEXS in Inter BEE」が、Inter BEE (国際放送機器展) 内で 11月13日に開催されました。
3つのセッションに分かれ、映像業界のトップクリエイターが登壇したセミナーの詳細レポートをお楽しみください。

福岡から世界へ! KOO-KI の江口カン氏が語る、
東京 2020 オリンピック・パラリンピック国際招致 PR フィルム
「Tomorrow begins」と連続 TV ドラマ「めんたいぴりり」

江口カン 氏

講師:江口カン 氏

映像ディレクター / KOO-KI 代表

九州芸術工科大学画像設計学科卒業。1997年 KOO-KI 共同設立。福岡を拠点に、CM や短編映画、ドラマなどエンターテインメント性の高い映像作品の演出を手がける。
Boards 誌 (カナダ)「Directors to Watch 2009」14 人のうちの 1 人に選出。2013年、東京オリンピック 2020 招致国際プロモーション映像「Tomorrow begins」、連続テレビドラマ「めんたいぴりり」(テレビ西日本) などを手がける。カンヌ国際広告祭金賞、銅賞、福岡県文化賞など国内外で受賞多数。

 

福岡産にこだわった作品

1997年の設立から福岡を拠点として活動し、国内外から高い評価を得ている KOO-KI。
「DEXS in Inter BEE」最初のセッションでは、代表を務める映像ディレクターの江口氏にとって初挑戦となる連続 TV ドラマ「めんたいぴりり」(テレビ西日本)、そして先日開催が決まった東京オリンピック 2020 招致国際プロモーション映像「Tomorrow begins」について語りました。

まずは、2013年 8月3日に 1 時間半のスペシャルとして第 1 部が、8月5日~29日まで連続ドラマとして第 2 部がオンエアされたドラマ「めんたいぴりり」について。
「めんたいぴりり」は、福岡名産の辛子明太子の生みの親、川原俊夫をモデルにしたドラマで、監督を務める江口氏をはじめとし、主演の博多華丸、富田靖子らキャスト、スタッフまで、福岡に所縁ある人物にこだわって作られた "福岡産" の作品です。

江口氏「3年前から企画していました。当時は特に日本に元気がなかった頃で、見ている人を元気にするような、おこがましいけども「男はつらいよ」のような、明るくて、しっかり笑って泣けるドラマを目指しました。
東京では出来ない、福岡でしかできないものをという想いから福岡産にこだわった作品です。
スタッフは、僕を含めて CM 畑の人とテレビ局のスタッフと混成チームを組みました。TV ドラマは初心者なので全てが手探り。ただ、TV 局のスタッフに「スケジュール的に撮りきれない」と言われても、CM での経験則から判断して、予定していたシーンを切ることなく撮影を完遂したり、CM をやってきたという利点も活かすことができました」

ドラマの完成尺 5時間を 40日間で撮るというタイトなスケジュールだった「めんたいぴりり」。ポストプロダクションにおいては、予算の都合もあり、TV 局の控室に Windows* のデスクトップ PC を持ち込んで編集作業を行っている。長尺ものでもデスクトップで編集、カラーグレーディング、合成を扱えるようになったテクノロジーの恩恵は大きいと語りました。

 

チームがコンパクトであるとダイナミズムが生まれて、スピーディに動ける

続いては、東京 2020 オリンピック・パラリンピック国際招致 PR フィルム「Tomorrow begins ~未来 (あした) がはじまる~」について。

東京 2020 オリンピック・パラリンピック国際招致 PR フィルム「Tomorrow begins」

江口氏がクリエイティブ・ディレクターを、同じく KOO-KI の上原桂氏が監督を務めた本作は、国際オリンピック委員会 (IOC) へのプレゼン用の映像として制作されたもので、YouTube* でも大きな話題となりました。
東京で撮り下ろした映像に、過去のオリンピックの映像をミックスしており、納品まで僅か1ヶ月しかないという厳しいスケジュールの中、膨大な素材の中から取捨選択する作業と、こだわりの CG で作ったハートと、その合成が作品作りのポイントとなった。

江口氏「オフラインと CG の作業はほぼ社内スタッフというコンパクトさが上手く機能しました。現場では何よりコミュニケーションが大事なので、チームがコンパクトであるとダイナミズムが生まれて、スピーディに動けるんです。
作業量は膨大でしたが、アスリートの活躍する映像だったので、編集していてもとても楽しかった。メッセージとしては、"東京でオリンピックが開催されるとこんなに大歓迎します" という気持ちが伝わるものを目指しました」

 

HDD が SSD に代わり、すごくタフになった

KOO-KI として 17 年間、それ以前のフリーランス時代からも福岡で活動してきた江口氏にとって、「PC はペンと同じで、なくてはならないもの」だという。また、福岡と東京間での移動が多い江口氏にとって、SSD の登場には恩恵を受けているそうだ

江口氏「HDD の故障が原因でノート PC をいくつも変えてきたのですが、最近は HDD が SSD に代わり、すごくタフになった。おかげで故障が減って助かっています」

かゆいところに手が届く、実用的な面でも、PC の進化はクリエイターのモノづくりにおける環境を豊かにしているということが伺えた。

江口氏「もちろん東京は凄いし、仕事も面白いけど、地方の魅力をもっと追求したいという気持ちがあります。先日、沖縄でドラマを作ってる人と会って、刺激を受けました。そういう人たちと連携したりして、東京にも影響を与えられるような、ニューヨークにとってのロサンゼルスみたいな存在になりたいなと思います」

あえて福岡にこだわり、東京ではできないものを標榜しながら世界に通じる作品を生み出し続ける江口氏。「めんたいぴりり」は、今後 DVD 化や東京含む関東地域でのオンエア、さらには江口氏が「ぜひやりたい」と語る続編も視野に入れているとのことなので、楽しみに朗報を待とう。

 

インテルの CPU や SSD をはじめ、テクノロジーの進化に支えられ、日々新しい表現を生み出し、追い求めるクリエイターたちの貴重なトークセッションを聞くことができた今回の「DEXS in Inter BEE」。今年の Inter BEE でも大きくフィーチャーされた "4K の時代" が訪れつつある。テクノロジーの発展にインスパイアされ進化してきた映像表現、今後も期待と共に注目したい。

取材:white-screen.jp

 

DEXS in Inter BEE

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