DESIGN EXTREME SEMINAR 2014 in FUKUOKA REPORT

様々なクリエイターの方に向けた「DEXS 2014 in FUKJUOKA」が、3月28日に福岡イムズホールにて開催されました。
4つのセッションに分かれ、それぞれの業界のトップクリエイターが登場したこのセミナーレポートをお届けします。

Made in Fukuoka のクリエイティブが世界を動かす!?
映像クリエイティブ集団 KOO-KI のお仕事大解剖!

上原桂 氏

講師:上原桂 氏

KOO-KI 映像ディレクター

1974年生まれ。神戸芸術工科大学卒。1998年 MTV Station-ID コンテストを受賞し、翌年 MTV JAPAN 入社。P.I.C.S. を経て、2012年 KOO-KI 参加。映像ディレクション、アートディレクション、編集、一部音楽も手掛ける。The Asian Television Technical & Creative Awards 2003 にて Best Art Direction 賞受賞。2013年、東京五輪招致 PR フィルム「Tomorrow begins」にて、K-ADC AWARD 2013 映像・デジタルコミュニケーション部門会員賞を受賞。

http://www.koo-ki.co.jp/site/tag/kei-uehara/

山田修明 氏

講師:山田修明 氏

KOO-KI プロデューサー

1981年生まれ。九州芸術工科大学卒。CM プロダクション勤務を経て、2012年 KOO-KI 参加。CM・ゲームオープニングなど映像全般から、アプリ、インタラクティブコンテンツなど、幅広く KOO-KI 所属のディレクターとの仕事を手掛ける。2013年グッドデザイン賞受賞の iOS アプリ「Mr.shape のタッチカード」をはじめ、KOO-KI オリジナルコンテンツのプロデュースも行っている。

 

福岡を拠点に世界へ通じる映像作品を生み出す KOO-KI のプレゼンテーションでは、映像ディレクター上原桂氏とプロデューサー山田修明氏が登壇。話題となった CM 作品から、現在開催中の展覧会「大空気展」まで、KOO-KI のクリエイティブの舞台裏を明かしていった。

テレビ西日本の開局 55 周年を記念して制作され、福岡ローカルから全国規模でのオンエアへと拡大した連続 TV ドラマ「めんたいぴりり」、自虐的な PR キャンペーンが話題を呼んだ「おしい!広島県」、オリジナル iOS アプリ「Mr.Shape のタッチカード」など、幅広い KOO-KI のクリエイティブ・ワークが紹介された。

上原氏が監督を務める、話題となった東京五輪招致プロモーション映像「Tomorrow begins」は、タイトなスケジュールの中、年末年始を返上して作業にあたった。限られた時間の中での効率化が最大のテーマで、その CG 制作のほとんどを社内制作で実現したという驚きの秘話が明かされた。高額なハイスペック PC が無くともデスクトップ PC の進化や SSD の登場で、グローバル・クオリティの映像を社内で制作できる環境の恩恵は、KOO-KI のクリエイティブには欠かせないそうだ。

 

薩摩酒造「神の河 Light」
dir: 上原桂

薩摩酒造の焼酎、神の河 Light の Web ムービーも全て社内で制作した作品だ。
「素材が「神の河」のラベルしかない状態からスタートしたんです。アングルやレイアウトで気持良く見せるというのは、僕の得意とするところなんです。実写のモデルさんの撮影素材を僕が編集しながら、グラフィック・チームによるグラフィック制作を同時進行で走らせながら作り上げていきました。
撮影時にシンプルな白バックを使うことで、モデルのレイアウトをコントロールしやすくしています。そうすることで、例えば「全身の素材を画面下にグイッとズラして頭だけ使って、空いてるところにグラフィック組み合わせて」と、その場のコミュニケーションでどんどん進行できたのも、社内制作の強みじゃないかと思います」(上原氏)

 

IMS×Solaria「25th Anniversary」
dir: 木綿達史

福岡生まれ福岡育ちの KOO-KI ならではの最新ワークとして、地元の 2 つの複合ビルの 25 周年を記念したコラボレーション CM の舞台裏を紹介した。主演は、両ビルの受付で実際に働いているイムズレディとソラリアレディ。イムズ地下 2 階広場でコマ撮りによる公開撮影するという大胆なプロジェクトとなった。高さ 10 メートルに設置されたカメラから 1コマ 1コマ、約 150 カットを約 13 時間 (!) 掛けて撮るという根気のいる撮影となったが、地元学生ボランティアやエキストラ総勢約 80 人の協力を得て、みんなで作り上げる CM が完成した。

イムズ 8 階の三菱地所アルティアム (第 2 会場として地下 2 階イムズプラザでも展示) で開催中の「大空気展」は、AR やマルチ画面を使った遊び心たっぷりな、KOO-KI 初の展覧会。17 年におよぶ KOO-KI の軌跡を、所縁のアイテム展示、絵コンテ、作品上映で見ることができる。入口で配られる iPad* を絵コンテにかざすと、完成映像が AR で見られるユニークな体験だ。

「エントランスには、マイクロタイル* と呼ばれるマルチモニタを設置しています。KOO-KI の映像作品を一挙に流しているのですが、ポイントは映像を綺麗に、かつ大量に見せたい、そして空間を有効に演出したいということ。1 つのモニターが 720×480 ピクセルなのですが、それを横に 12 台並べているので、幅 8,640 ピクセルもの解像度のディスプレイになってしまうんです。せめて、4k 相当の画質は欲しいということになり、再編集をしています。

流す作品は 300 点以上あり、この長尺を扱うためには、ハイスペックの PC が必要でした。インテルさんから 4k 編集用の PC をお借りし、社内に専用で編集できる環境を整えました。さらに、その PC は会場での再生 PC としても使用しています。会期中ずっとループで流しているので、ハードへの負荷も大きいと思いますが、特にトラブルもなく、来場者の人にはストレスなく映像を楽しんでもらえてます」(山田氏)

東京ではなく、あえて福岡の地からクリエイティブを発信し続けている KOO-KI。「絶対に "オモシロイモノ" しか作りません」と宣言する KOO-KI の力強いアティチュードを保てるのも、東京から離れた距離感が関係しているのかもしれない、そして上原氏と山田氏の軽やかで温かいトークも、福岡らしい空気に包まれたものだった。

 

日々進化を続けるテクノロジーと、それによって拡張、洗練、変化してゆくクリエイティブは、作り手や鑑賞者のマインドをも変化させてゆく。初の地方開催となった「DEXS 2014 in FUKUOKA」では、そんなテクノロジーとクリエイティブの確かな繋がりを実感できるイベントとなった。

取材:white-screen.jp

 

DEXS 2014 in FUKUOKA

  • 4k session
  • CG & VFX session
  • MOVIE session
  • INTERACTIVE session